新婚旅行から戻り、いよいよ本格的に結婚生活がスタートした。
当時の私は「財産管理は専業主婦の仕事である」というステレオタイプ(固定観念)に囚われていた。
自分の両親がそうしていたからである。
「妻が財産を管理し、夫はお小遣い制で過ごす」
→「家計のやりくりは妻が行い、夫は会社の業務だけに勤しむ」
→「だからこそ、夫は仕事に集中できる」
そう思っていた。
ゆえに、
・銀行の通帳
・登録印鑑
・ネットバンキングログイン用のID&パスワード
をカオルに預けた。(もしくは教えた)
もしものために、キャッシュカードとクレジットカードは持ったままとさせてもらったが、基本は取り極めたお小遣い以下に出費を抑えるという前提である。
新婚生活がどんなものかわからないので、私のお小遣いの月額はこれから生活しながら考えていこうということになった。
とにかく、
『自分の全財産を嫁に渡した』
のである。
その夜。
嫁からこんなセリフを聞くことになる。
「新婚旅行の旅費の支払い、
私が立て替えたのに
まだ返してもらってないんだけど!」
広告
私「ええっと、ごめん。なんだって?」
カ「新婚旅行の費用っていうのは
夫が払うのが常識でしょ!?
それを妻である私に立て替えさせた上に
アンタ払わない気なの!!」
私「うーんとねぇ、、、
新婚旅行の費用を夫に負担してほしいという概念自体はわからなくはないよ?
でもさぁ。それは、
『結婚後も共働きで、
夫婦の財産を共有化せずにいる場合の事例』
じゃないかな?
互いの財布が別だからこそ、
『新婚旅行代が夫から妻へのプレゼント的位置づけ』
になるんじゃないの?」
カ「はあ!?(超怒)
アンタそれ本気で言ってるの!?
アンタがそんな非常識な人だとは思わなかった!!
新婚旅行は夫が出すの!!コレ常識!!」
私「まあ、それが世間の常識がどうかは、、、またあとで調べてみ?
それはちょっと置いといてさ。
俺は新婚旅行の費用どころか、
『全財産渡した』んだけど?」
カ「じゃあアンタ!
私に立て替えさせた旅費は払わないつもりなわけ?」
私「いや、だから、『旅費払わない』とかじゃなくて、『全財産払った』のよ。
俺たち夫婦は、俺が働いてて、カオルが専業主婦でしょ?
そして、夫婦の財産管理をカオルがするんでしょ?
だから、どっち名義の口座の残高も夫婦二人の共有財産だし、
その財産を全部カオルが管理するんでしょ?
こういう状況でどちら名義のお金であるかをどうしてそこまで気にするの?
そんなに気になるなら旅費分を俺の口座から移せばいいと思うんだけど、
そのために振り込み手数料まで払ってお金を移すのに何か意味ある?」
カ「離婚した時に、
私名義のお金は全部私の物で!!
夫のアンタ名義のお金を
二人で分割するルールだからに
決まってるでしょ!!」
どこのガキ大将の理屈だ!?
その理屈だったら、財産管理してる側が全ての財産を自分名義に変更したのちに離婚すると、相手をスッカラカンにできるんですが?
とりあえず、その場は、
「『清算的財産分与』って単語をインターネットで検索してみ」
とだけ教えといた。
…ってか新婚旅行から帰った翌日に離婚する時の話するのかよ。
↓つづき